不思議の国とアリスのゲーム
今まで黙って見ていたチェシャ猫は、アリスに助けを求められたので白兎を引き離した。
「さっさと仕事に戻りなよ。
ハート騎士さんが怒ってるよ」
「チェシャ猫・・・仕方ありません。
それではアリス、また会いましょうねっ」
白兎はチェシャ猫を睨むとアリスに笑顔を向けて去って行った。
「はあ・・・ありがとうチェシャ、助かったわ。
・・・ん?」
チェシャ猫にお礼を言ったアリス。
そんなアリスはチェシャ猫の背後の階段の上で椅子に座っている女王が目に入った。
不機嫌そうな女王だった。
「ど、どうしたのシャルル?」
「・・・あやつ、わらわに挨拶をせずに帰りおった。
首をはねるべきかのうアリス?」
綺麗な笑顔をアリスに浮かべながら女王は聞いた。
言っている事は物騒だが。
「シャルル、そんな事しないでちょうだい」
「そうか、やはりはねるべきか」
「いやいやそんな事言ってないっ!!」
「そこの兵よ、今すぐ兎の首をはねてくるのじゃ」
女王は扉に立っていた一人の兵を指差しながら言った。
「しかし女王様、私では返り討ちにあうかと・・・」
「今ここで首をはねられたいか?」
「行って参りますっ!」
そう青ざめた顔をして兵は言った。