不思議の国とアリスのゲーム
「あの白いのは、わたくしが少しでも間違えると酷い仕打ちをするのよ!?
問題が難しすぎるのよ!
それに小声でちょっと悪態を言えばあの無駄に長い耳が声を拾うから聞こえて・・・。
ストレスが溜まるわアリスッ!」
「た、大変そうねぇ・・・あっ」
アリスは王女の背後を見て固まった。
しかしそれに王女は気付かない。
「貴女も大変ねっアリス。あんな腹黒い兎にストーカーされて「誰が腹黒いですか?」・・・え」
王女の顔からさっと血の気が引いていった。
同時にアリスはあちゃーっといった表情をした。
「勝手に抜け出して僕の悪口をアリスとですか?王女?」
普段の白兎とは考えられないくらいの黒い笑みがアリスには見える。
それを背後で感じているであろう王女は冷や汗を流しながら今だ振り向かない。
「だいたい、この僕が脳みそ空っぽな貴女に勉強を教えているんですから、ちゃんとしてください」
「・・・脳みそはありますルーイさん」
「ありませんねっ。
一日に五回以上は脱走する人に脳みそなんてね」
馬鹿にしたように鼻でフッと笑いながら笑った白兎。
それにカチンッときた王女は振り向いた。