不思議の国とアリスのゲーム




廊下を歩く音が響く中、アリスはチェシャ猫をじっと見た。


ちなみに王女と白兎は別行動で遅れてくる。



まあ無理矢理白兎が王女を引っ張って行っていたが。




「頑張ってセリア・・・」




「何言ってんだ?」





「なんでもない。
それよりその薔薇どうしたの?」





アリスはチェシャ猫が持っているバケツに入った大量の真っ赤な薔薇を指差した。




「シャルルの奴が傷んだ薔薇を取ってこいと言ったんだ」





「え、こんなに綺麗なのに・・・棄てるの?」





「まあ、使い道が無いし」





それを聞いたアリスは少しの間考えた。




「じゃあこの薔薇ちょっとちょうだい?」





「は?こんな薔薇を?」






何言ってんだっていう顔をしたチェシャ猫。




「だって、そこまで傷んでないじゃない。
私の部屋にでも飾るわ」





ニコッと笑いアリスはチェシャ猫に言った。





「・・・今までの“アリス”とは違うな」





「それはいい意味で言ってるとして受け取るわ」






ククッと喉で笑ったチェシャ猫を軽く睨みながらアリスは言った。
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