不思議の国とアリスのゲーム
ガチャッ
ギィィィッ
両側にいる兵士がアリス達が立つと同時に扉を開けた。
中に入ると既に白兎と王女が中央に立っていた。
白兎の方は爽やかにニコニコと笑っていたが、王女の方はムスーッとした表情だった。
「あっ!アリス〜っ!!」
アリスに気付いた白兎が両手を広げてアリス目掛けて突進してきた。
それを見たアリスはぎょっとし、ギュッと瞳を閉じた。
くるであろう衝撃を待っていたが、それはこなかった。
そろっと瞳を開けるとチェシャ猫が白兎の襟首を掴んでいた。
「何をするんですかチェシャ猫?」
首だけをチェシャ猫に向けながら白兎は睨んだ。
そんな白兎を王女はクスクスと笑っていた。
「停めるのは当たり前ですわ。
だってチェシャ猫はアリスの騎士ですもの。
いい気味ですわルーイ」
白兎はチェシャ猫の手を離させると王女を黒い笑みで見た。
それを見た王女はしまったといった表情をした。
「セリア・・・勉強、楽しみにしていて下さい。
逃げるという選択は、あまり好ましくないと僕は思います」
王女の顔が青ざめた。