不思議の国とアリスのゲーム
「ねぇシャルル、《Chess Tournament》って何?」
アリスは女王から紙を受け取ると質問した。
「そこにあるように、毎年恒例の行事じゃ。
チェスで勝った者には商品がついてくる」
「去年は那紅琉とノエルが優勝しましたのよ?」
「えっ!?スゴッ!
って、二人?」
二人という言葉に?を浮かべたアリスに女王が説明する。
「この大会のチェスは、普通のチェスではないぞ。
頭脳だけではなく、精神力と体力も必要じゃ。
そしてこのチェスでは二人一組で行うものじゃ」
「二人一組・・・精神力と体力?」
女王の説明に益々ちんぷんかんぷんなアリスは小首を傾げた。
「まあ簡単に言えば、一人はピース、もう一人はそれを動かす主ってところだ」
チェシャ猫の付け足しの説明に何となく理解したアリス。
「ピースはおもに体力を使い、主はピースの力の源となる精神力を使う。
頭脳は二人共ってとこですね」
白兎が顎に手をかけ考えるように言った。
「ピースの力は主によって左右しますから、いくらピースが強くとも主がダメでは意味がありませんわ」
頬に手をあて王女はぽつりと言った。