不思議の国とアリスのゲーム
和やかな雰囲気の中、アリスはあっ、と小さく言った。
「どうして商品をナイトさんが知ってるの?」
尋ねるとハートの騎士は微笑んでいたいた顔を、悩ましげにゆがめた。
「実はその人魚・・・俺の彼女なんだ」
「嘘!?
え、でもなんで彼女さんは商品に・・・」
驚きから不思議がるアリス。
「・・・人魚の涙は真珠になり、どんな宝石よりも高価な品になるんだ。
だから昔、欲に目が眩んだ者が人魚を沢山捕まえた。
そのせいで今、人魚はの区域に住んでいる」
「の区域?」
「それはチェシャにでも聞いてくれ。
ハンプティは金が大好きな奴なんだ。
今回も多分商品をやるつもりはないと思うぞ」
「は!?どういう事!?」
商品をくれないってどうして!?
「優勝者はハンプティの屋敷に招待されるんだが、そこであるゲームをさせられるんだ」
「・・・それもチェシャから」
「聞け」
きっぱりと言われたアリスは少ししゅんとした。
それを見たハートの騎士はアリスの頭に手をのせ、頭を撫でた。
「まあ、今度なんか遊んでやるから」
顔を軽くアリスに近づけ優しく笑うハートの騎士。