不思議の国とアリスのゲーム
「子供扱いしないでよ」
ムッとしながらアリスはハートの騎士を睨んだ。
それにハートの騎士は笑いながら悪い悪いと言った。
全然悪いとは思っていないだろう。
「なんでその、ハンプティ=ダンプティさんに連れさらわれたの?」
「それがわからないんだよな。
言い方は悪いが、他にもまだ結構な量の人魚がいたのにわざわざ離れた場所にいたあいつを掠ったんだ」
腕を組んで天井を見上げたハートの騎士は、溜め息をはいた。
とりあえず話しを聞いたアリスだったが、わからない事がまだあった。
「私になんの相談だったの?」
「Chess Tournamentに出場して、人魚を取り戻して欲しい」
「は?」
有り得ない。
アリスは目が点になった。
「いやいや、なんで私なんかに・・・」
「アリス様だから」
「だから「幸せの七色」
下げていた頭をハートの騎士に向けた。
ハートの騎士はニッと笑っていた。
「薔薇の色、そうさせたいんだろ?そのうちの一回を、俺の為に使ってくれないか?」
ハートの騎士の目は真剣だった。
「私じゃ、優勝出来ないよ?」
「大丈夫だ」
「なんでそんな事が言えるのさ」
「“アリス様”だから」