不思議の国とアリスのゲーム




「・・・“アリス様”、か」





廊下を一人歩きながらアリスはぽつりと呟いた。



アリスはさっき、ハートの騎士に言われた言葉を思い出していた。




「私は“アリス”で、“アリス様”なんかじゃないよ」





「アリスー?」





「え、あ、那紅琉」






後ろから声をかけられたアリスが振り向くと、ツインテールをした那紅琉が不思議そうに立っていた。




「どうしたのですかアリス?」





「え、なんでもないよ?
那紅琉こそ一人で何やってるの?」





「女王様に呼ばれたんです。
ノエルも一緒にきたけど別行動です」





「珍しいわね。
明日は天変地異がおこるわ」






何時もは那紅琉と一緒に行動しているのにいない帽子屋。


何かがおこっても不思議ではないくらい珍しかった。



「・・・その台詞、ここまで来るまでに三人に言われたです」





「え゛」





「セリアからは台風、ルーイからはヤリ、シルヴァからは隕石が降ってくると言われたです」





「・・・アハハ」






凄い言われよう。
< 83 / 122 >

この作品をシェア

pagetop