不思議の国とアリスのゲーム
「・・・“アリス様”、か」
廊下を一人歩きながらアリスはぽつりと呟いた。
アリスはさっき、ハートの騎士に言われた言葉を思い出していた。
「私は“アリス”で、“アリス様”なんかじゃないよ」
「アリスー?」
「え、あ、那紅琉」
後ろから声をかけられたアリスが振り向くと、ツインテールをした那紅琉が不思議そうに立っていた。
「どうしたのですかアリス?」
「え、なんでもないよ?
那紅琉こそ一人で何やってるの?」
「女王様に呼ばれたんです。
ノエルも一緒にきたけど別行動です」
「珍しいわね。
明日は天変地異がおこるわ」
何時もは那紅琉と一緒に行動しているのにいない帽子屋。
何かがおこっても不思議ではないくらい珍しかった。
「・・・その台詞、ここまで来るまでに三人に言われたです」
「え゛」
「セリアからは台風、ルーイからはヤリ、シルヴァからは隕石が降ってくると言われたです」
「・・・アハハ」
凄い言われよう。