不思議の国とアリスのゲーム
アリスは那紅琉と一緒に女王に会いに行く事にした。
「アリス」
「何?」
「アリスはアリスですよ?
他の誰でもないし、誰にもアリスの代わりにはならないです」
「え・・・」
前を歩いていたアリスだったが那紅琉の言葉に足を停め振り向いた。
真っ直ぐと那紅琉はアリスに向かって視線をなげかけている。
「だから、“アリス”を否定しないでです。
この世界では貴女は“アリス”です」
最初、何のことかわからなかったアリスだったが、先程の独り言を聞いていたのだろうとわかった。
「幸せを集めれば、元の世界に帰れるから、いきなり消えたり・・・」
「消えたりしないよ。
ルールには、従わなきゃなんでしょ?」
笑って言ったアリスに安心したのか那紅琉は張り詰めていた表情を緩めた。
「那紅琉・・・ありがとう」
「?」
なんでお礼を言われたのかわからない様子の那紅琉だったが、アリスは気にしないでまた歩き出した。