不思議の国とアリスのゲーム








ポカポカと暖かな天気。



傷んだ薔薇を棄てろと言う女王の命令で、嫌々従ったチェシャ猫。




終わったと知らせると、今度は水やりをやれと言われた。






「・・・めんどくせぇ」







ホースを持ちながらチェシャ猫はぼやいた。



お城だけでも広すぎるくらいだから、庭はディズニーランド五個分くらいの広さだ。





それすべてに一日中に終わらせるには、兵士だけでは全然足りない。



なのでチェシャ猫は手伝わなければならないのだ。






「−−っ!?なんだ、今の悪寒は・・・」






チェシャ猫は片手で自分の反対の腕をさすった。




「チェ〜シャ〜ッ!!」






チェシャ猫は猫耳をピクッとうごかすとお城の方を見た。




ツインテールを揺らしながら走って来る那紅琉がいた。





「那紅琉?ノエルはどうした。また迷子になるぞ」






首だけを那紅琉のほうへとむけたままチェシャ猫は言った。




< 88 / 122 >

この作品をシェア

pagetop