不思議の国とアリスのゲーム



俯いてボソッと呟いた那紅琉の言葉はチェシャ猫には届かず、もう一度聞き出す。





「な、なんでもないです!」




那紅琉は慌てて顔の前で手をふった。



そんな那紅琉をチェシャ猫は怪訝そうに見た。





「ま、いいか。
それより、俺になんかようか?」





「あっ!そうでした!
Chess Tournamentに出てほしいんです!」





「却下」






那紅琉の申し出を即答で断ったチェシャ猫。




「面倒、五月蝿い、だるい。だから却下」





そういうとチェシャ猫はまた薔薇の水やりを仕出した。




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