不思議の国とアリスのゲーム



そんな態度のチェシャ猫にムッときた那紅琉は懐から黒と淡い水色の扇子を取り出した。




―バッシンッ!!






そしておもいっきりチェシャ猫の頭を叩いた。



しかも一番硬いところで。





「いってーな!!
何すんだよ!!?」





叩かれた部分をおさえ涙目で上半身だけ振り向き那紅琉を怒鳴るチェシャ猫。



那紅琉は腰に手をあてて扇子でチェシャ猫を指した。




「貴方はアリスの騎士でしたね。だったらこう言います。
アリスはChessTournamentに参加します」





「!!?」






那紅琉がそういうとチェシャ猫は驚いた顔をした。



それに那紅琉は構わず話し続ける。





「貴方がアリスの騎士ならば、出なさい。
アリスを護りたいと思うのならば、出なさい」





その時の那紅琉の表情は、何時ものかわいらしい顔ではなく、凛とした顔だった。




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