JDKハルヤ 〜性同一性障害のモデル〜
「―――アタシです」





何とか出せた声は震えていた。





そんなアタシの肩に手を置いて、





「大丈夫。大丈夫」





と言ってくれる後ろの席のリエの手はやっぱり温かくて、また泣きそうだった。





「アナタ、男なのにそんな格好しているの?」




突き刺さる言葉だった。





アタシは生まれてから一度だって自分を「オトコ」だと思ったことはないのに。





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