JDKハルヤ 〜性同一性障害のモデル〜
「イルカって、遠くにいても話ができるんだってな」





ガラスの向こう側でゆっくりとターンをしたイルカがアタシを見ていた。





「ヒトの心がわかったりもするんだってさ。知ってた?」





「ほんとう?」





アタシは少し見上げて聞いた。





「そう……らしいよ。オレもあのクラブのオーナーに聞いたんだけど」





そう言って彼は顔をそむけて歩き出した。





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