JDKハルヤ 〜性同一性障害のモデル〜
「あれはソウタ君だよね?」





「どれだよ?」





「あれだよ。他の魚、追っかけ回してるの」





そう言って指差すと、彼は顔を近づけた。





「えー? どれだよ?」





こんなに近い距離で彼を見るのは、初めてだった。





「あれだよ。あれ!」





吐息が見えるくらい近くて、





赤くなった顔を見られるのが恥ずかしくて、





アタシは水槽を見つめたまま動けなかった。





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