JDKハルヤ 〜性同一性障害のモデル〜
「パープルバタフライ。このクラブのオリジナルなんだ」





薄い紫の乳白色はパープルよりもラベンダーの花の色みたいだった。





「赤でもない、青でもない、その中間。今の君のようだね」





グラスを軽くぶつけた音は、





雑音で埋もれたアタシの耳にはっきりと聞こえた。





「男でもない、女でもない、その中間でもがき苦しんでいる」





ケイの声はその音よりも深く、心の奥底に響いた。





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