JDKハルヤ 〜性同一性障害のモデル〜
「―――何か、大変だね。なんて簡単な言葉じゃ片づけらんないな。複雑すぎて」





「すみません」





「謝らなくていいよ」





と彼女は笑顔を見せた。





「でも、これだけは憶えていて。



私達は女になりたくて生きてるんじゃない。



女らしくって思うことはあるけど。



周りがどう言おうと、どう思われようと、



アナタが心から女であると思っていれば、体が男だとしても周りはアナタを女として扱うようになるよ」





彼女はアタシの手をぎゅっと握った。





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