JDKハルヤ 〜性同一性障害のモデル〜
「オマエはあの子を見てかわいいと思ったことは一度もなかったのか?」





「オレは―――」





彼の澄んだキレイな瞳がアタシから外れる。





「オレは、アイツをそんなふうに見てねェよ」





つかんでいた手を離し教室を出ていこうとする。





「呼び込み行くぞ。ハル」





静まり返ったクラスにナツキ君の声が響いた。





「今………ハルって………」





「さっきからみんなハルって呼んでたよ。気付かなかった?」





「え………?」





リエに言われて振り返ると、みんな笑顔だった。





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