tipe-DOLL【No.1007】
「そうだね。ありが…」

健が言いかけた時、背後で何かが動く音がした。

咄嗟に振り返るとそこには――異形の生物、モンスターがいた。

「なっ。何これ!モンスターじゃない!」

美子が驚きの声を上げる。

二人ともテレビのニュース以外でモンスターを見るのは初めてだった。

背丈は小学生くらいだが、腕が異様に長い真っ白な身体、鋭く伸びた爪、目はなく、口がパックリと笑っているように開いている。

口の中は毒々しいまでの紫色で牙を持っているのがわかる。

健は足をすくませ、美子はヘナヘナと腰を抜かした。



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