tipe-DOLL【No.1007】
美子も目を伏せた。

二人ともあの時のことを思い出していた。

「エリカ…って言ってたわね。」

「うん。誰なんだろうあの子。僕たちと同い年くらいだったよね。」

「そうね。でも…」

美子はそこで口ごもった。

彼女は素手でモンスターの身体を貫いていた。

警察も自衛軍もライフルを持ってモンスターを撃退しているのに。

「何者なのかしらね…彼女。」

「…うん。」

二人を再び沈黙が包んだ。



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