tipe-DOLL【No.1007】
「電気をつけてもいいかい?」

エリカの返事を待たずに篠宮はスイッチを押した。

薄暗い部屋に灯りがともる。

椅子に腰かけると袋からサンドイッチを出した。

その様子を見つめるエリカに篠宮は訊ねた。

「食べてみるかい?」

エリカは静かに首を横に振り、棚の引き出しからサプリメントを取り出した。

「今日…検査の後…モンスターを一体倒しました。」

サンドイッチを食べようとしていた篠宮の手が止まる。

「…そう。誰かを助けたの?」

「はい。男の子と女の子を。」

「何歳くらいの?」

「十代半ばだと思います。」

「…そうか。」

篠宮はそれ以上、質問せずサンドイッチを食べ始めた。

エリカもサプリメントを水で飲み下した。



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