tipe-DOLL【No.1007】
「エリカ、順調ですね。」

少女が去った後、女性がポツリと呟いた。

「ああ。完成形と言える出来だ。間に合ってよかったよ。」

白衣の男性は椅子に深く腰掛けた。

白衣のポケットから煙草を取り出す。

火を点けると同時に女性が部屋の隅のスイッチを押した。

換気ファンが回り始める。

男性の吐き出す煙が立ち上り、吸い込まれていった。



< 3 / 76 >

この作品をシェア

pagetop