tipe-DOLL【No.1007】
篠宮がエリカの身体に跨がっていた。

エリカの顔は見えなかったが、声ひとつ上げていなかった。

月明かりに照らされた篠宮は――麗子が今までに見たことのない表情をしていた。

快感に顔を歪め、それでいて愛おしむような切なげな表情だった。

チャイムの音にも麗子の存在にも気が付かない。

彼の瞳にはエリカしか映っていなかった。



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