tipe-DOLL【No.1007】
麗子は検査結果の資料をまとめながら、エリカに声をかけた。

「遅いわね。篠宮博士。」

「はい。」

「今回の検査も特に問題はなかったわ。博士も安心するわね。」

「はい。」

「…来週の検査も順調に終わるといいわね。」

「はい。」

麗子は大きく息を吐き出した。

「あなた…「はい」しか言わないのね。」

エリカは何も答えなかった。

「エリカ…あなたは…」

「遅くなって、すまなかった。」

麗子はハッとドアの方に振り返った。

篠宮がノートパソコンを片手に帰ってきた。



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