tipe-DOLL【No.1007】
「怪我はなかったよ。正直、焦ったけどね。エリカはDOLLだから痛覚はあるからな。傷がつけば、痛い。」

切なげに目を細める篠宮の表情は麗子にあの夜のことを思い出させた。

「外装を強化しなくても大丈夫なんですか?」

「DOLLの強度としては今が限界だ。これ以上はロボットの域だ。」

ロボットみたいな物じゃないですか―――

麗子は喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。



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