tipe-DOLL【No.1007】
「健。あんた、また暗いこと考えてたでしょう?」

美子はしかめっ面で健を見た。

「暗いこと…暗いかわかんないけど、色々考えてたよ。」

「何考えてたの?」

「…一年後の世界の終わりについて。」

「究極に暗いじゃない!」

美子は声を上げて笑った。

何が楽しいのか美子はよく笑う。

昔からそうだ。

対して健はあまり笑わない子供だった。

それは今も変わらず、微笑み程度はするけれども大笑いすることは滅多になかった。



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