tipe-DOLL【No.1007】

「彼女のことが気になるのはわかるよ。何せ素手でモンスターを貫いたんだ。でも…」

「違うわ。」

美子は健の言葉を遮った。

「そんなことじゃない。」

「じゃあ、何がそんなに気になるんだ？」

「だって……」

「だって？」

「あたし、あんな寂しそうな瞳をした子初めて見たわ。あたし達と同い年くらいなのに。」

美子は悲しそうに目を伏せた。

「そんなの…ほうっておけないじゃない…」

消え入りそうな声で美子が呟く。

健はその姿を何も言えずに見つめていた。