tipe-DOLL【No.1007】
ラジオから流れる音楽。

好みなんてものはないのでいつも適当なチャンネル。

だけど、バイオリンの音色は心地よい。

ベッドの上で膝を抱えながら、エリカは目を閉じた。

篠宮に外出を禁じられたのでこうして部屋でじっとしている。

エリカはそれを苦痛だとも退屈だとも感じない。

「私は人類を守るために産まれてきた。」

誰もいない部屋にエリカの小さな声が響いた。



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