tipe-DOLL【No.1007】
なのに、どうしてだろう。

閉ざされたカーテンから射し込む微かな光。

こんなにも外の世界が気になるなんて。

あの日、助けた男の子と女の子。

どうして彼は逃げ出さず、彼女を庇っていたのか。

弱いくせに。

守りきれるはずもないのに。

あのままだと二人ともモンスターに殺されていたのに。

エリカにはそれが理解出来なかった。



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