tipe-DOLL【No.1007】
「髪の毛を触りました。博士は考える時、困る時はいつも髪の毛を触ります。」

篠宮は思わず、自分の前髪に手をやった。

髪の毛がまだ短い時、彼には唇を触る癖があった。

それを指摘された時のことを思い出していた。

――まるでキスをせがんでるみたい。

その人はそう言って笑っていた。

篠宮の瞳から光が消えた。

「エリカ…」

篠宮は強引にエリカの身体を引き寄せて、抱きしめた。

「博士。どうし…」

エリカの唇をふさぎ、そのままベッドに押し倒す。

エリカは静かに瞼を閉じた。



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