tipe-DOLL【No.1007】
エリカの立ち去った方角に足を進めると、途中舗装された道路から砂利道へと変わった。
建物もどんどん寂れていき、二人は不安を隠しきれなかった。
「ねぇ、なんだか危なそうな場所よね?」
「そりゃ要注意区域にガンガン突き進んでいけばこうなるよ。」
いつモンスターが出てもおかしくないような不穏な雰囲気の場所だ。
美子は腰から下げたナイフを強く握った。
「あ、あれ…」
健の言葉に振り返るとボロボロのアパートに一人の男性が入って行くところだった。
男性はチラリと二人の方に目を遣ったが止まることはしなかった。
前髪の長い、背の高い男だった。
「あんなところにも住んでいる人がいるのね。」
「うん。」
健は美子の言葉に頷きながら、住居が要注意区域に指定された場合は原則として退去しなければならないという報道があったことを思い出していた。
あの男性は一体―――
健の視線は男が入って行った入り口からしばらく離れなかった。
建物もどんどん寂れていき、二人は不安を隠しきれなかった。
「ねぇ、なんだか危なそうな場所よね?」
「そりゃ要注意区域にガンガン突き進んでいけばこうなるよ。」
いつモンスターが出てもおかしくないような不穏な雰囲気の場所だ。
美子は腰から下げたナイフを強く握った。
「あ、あれ…」
健の言葉に振り返るとボロボロのアパートに一人の男性が入って行くところだった。
男性はチラリと二人の方に目を遣ったが止まることはしなかった。
前髪の長い、背の高い男だった。
「あんなところにも住んでいる人がいるのね。」
「うん。」
健は美子の言葉に頷きながら、住居が要注意区域に指定された場合は原則として退去しなければならないという報道があったことを思い出していた。
あの男性は一体―――
健の視線は男が入って行った入り口からしばらく離れなかった。