tipe-DOLL【No.1007】
「博士…」

目を少し見開き、エリカが呟いた。

健と美子は部屋の閑散とした様子に驚いたが、どこか納得したような気持ちになっていた。

少女から漂う孤独感の理由が一つ明らかになったような気がしていた。

「お客さんだよ。あ、君たち何か飲むかい?コーヒーか紅茶しかないけど。」

驚いているエリカをよそに篠宮は何でもないといった顔をしている。

「コ、コーヒーでお願いします…」

「あたしも…」

「了解。」

篠宮はキッチンの方へ向かい、振り向きざまに言った。

「インスタントだけどいいよね。」



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