tipe-DOLL【No.1007】
篠宮がいれたコーヒーを手に持ち、美子は簡素なパイプイスに健は立ったまま何も話さなかった。

ベッドには篠宮とエリカが並んで座っている。

「ごめんね。ここには普段俺しかこないから、椅子が一つしかないんだよ。」

篠宮が健の方を見て言った。

「いえ、大丈夫です。」

応えながら、健は彼らにまつわる事情を尋ねていいものか迷った。

しかし、それはほんの一瞬だった。



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