tipe-DOLL【No.1007】
篠宮が改まった口調で言った。

「さて。君たちにはエリカのことを話しておこうと思っている。」

「え?」

健と美子は驚いた。

当のエリカは篠宮の方に視線を向けただけで、何も言わなかった。

「しかし、聞きたくないならそれも別に構わない。一応国家機密だからね。面倒なことに関わりたくないと思うなら…」

「いえ、聞かせて下さい。」

美子が篠宮の言葉を遮った。

健も美子に続いて言った。

「面倒なことに関わりたくないなら、こんな所まで来ませんよ。」

「そうか。」

篠宮は満足げに微笑んだ。


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