このキズで俺はお前を縛る
牛の乳だって毎日飲んでるのに…もうどんなに努力しても

この身長は変わらねえんだろうなあ

「今日ね、雪乃さんが来てるんだよ」

弟の優佑が笑顔で言った

「ああ? あっそ」

「雪乃がパンを焼いてきてくれたんだ
喜んで食えよ」

兄貴が、俺の頭をぽんぽんと叩く

なんだよ

その頭を叩くしぐさはよ

ちょうど手を乗せる位置に俺の頭がありました…みたいで

すんげえ、むかつくんですけどぉ

俺に対する嫌味ですかぁ?

「ちょうど腹が減ってたし、食うよ」

「良かった
俺も兄貴も…ちょうど食えなくて…」

「はあ?」

なんで優佑と恭佑が、玄関で俺の帰りを待ていたのか…理解したぞ

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