くものある町
里奈が一番付き合いが浅いわけだけれどそんなの関係ない。
だって、楽しく過ごせてるんだから。
クーラーの効いた図書館、みんなで勉強方を教えあったお陰でどうにか五つあった宿題のうち二つを終わらせることができた。
とはいえ、大介にいたっては途中から
「眠ぃ…後よろしく…」
と、居眠りしだすし、唯は
「もう無理っ」
と言い出してマンガを読みだす始末、挙句の果てには二人とも俺と里奈の答えを写して
「出来たっ」
「やっぱ俺天才」
なんて言い出した。
俺は疲れていたのでとりあえず無視していたが、里奈は許せないようで二人に対し文句を言っていた。
その後三人は図書館の人にうるさいと怒られていた。
確かにうるさかった。
まるで蝉が図書館の中に紛れ込んできたかのように。
まるで巨大なモンスターが叫んでいるかのように…、さすがにそれは言いすぎだろうか。
とにかくそれほどうるさかったのだ。
これだからバカは困る。
そしてそのバカが大切な友人達だから余計に困る。