鳥籠のドルチェ
―――ポタッ
血を垂らした瞬間
魔法陣は明るい光を出したかと思えば、途端に暗い光も出した
それは図書館だけでなく教会中に広がっていくもので
「きゃッ―…」
思わずマリンは本を手放した
「これはッ…!
マリン、貴女は何てことを!!」
光の異常さに気がついた教会の神父達が図書館に駆け付けた
「貴女これがどういう事か解ってるんですか!?」
本から放たれる光は再び黒い物になり、図書館中を…教会中を染めていく
─そんなッ……
マリンは唖然としながらも神父達と本を見比べる
「仕方ありません、もう一度 封印魔法陣を錬成しないと……」
─魔法陣………?
その声に駆け付けた神父達が一斉に小さな本を取り出して呪文を唱えようとする
「その必要はないさ。
遅かったな、神父殿」
そこへ聞き覚えのある声が聞こえた
マリンが声の主へ目を向けると、そこには
今まで見たことがないほど恐ろしい顔をした
魔物が立っていた
†