鳥籠のドルチェ




━目が見えないことを


苦に思ったことはない








きっとこれは





神が与えた罰だ









人殺しの.俺への




[ 罰 ]













「頼む命だけは………」




壁に追い込まれた男は、自分の命が危うくなると縋るようにそう叫ぶ



しかしそれを冷たい表情で見下ろす男が1人




「頼むッ…………!」




喉元に突きつけられた拳銃に震え上がりながら、も許しを乞う男だが

そんな声がこの男に届くはずもなく











矛盾にも乾いた銃声が
その屋敷に轟いた









「仕事終了だ。」





返り血を浴びた黒いコートを気にせず翻し

使い慣れた拳銃を胸ポケットに仕舞うと、男は歩き出す












─その瞳には何が写っているのか



はたまた何もかも写ることはないのか




それは誰にも解らない。









男の名は.
カイン=C=バークレー




またの名を.



" 盲目のトリガー "








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