鳥籠のドルチェ
それが何故なのかも解らない
けれど自分を育ててくれた親父様の言いつけを破るような真似は
マリンには出来なかった
―神様―…、マリンも外で遊びたいのです…。
いつの間にか独りになってしまった礼拝堂で、マリンは心の中で呟いた
窓の外では街の子供達が、元気に走り回っている
マリンは子供達の楽しげな声から逃げるように礼拝堂を後にした
*
マリンが向かうのは教会内にある図書館
高い天井まで本がギッシリと入っていて、はしごを使わないと上にある本は取れない
魔法や妖精、冒険などのファンタジーものが特にマリンのお気に入りだった
「えっと今日は―…」
自分の手が届く場所は.ほとんどの本を読んでしまったため
はしごを登りながらお目当ての本を探す