私の敵は『俺様』です。


すると、彼はピタリ、と立ち止まって振り向いた。


「高宮 夢だな?それで、用件は?」


…いや、そんな留守番電話サービスみたいなテンポで言われても……


「仮彼女って、どういうことですかっ!?」


「そのまんまだ。ま、俺は別に本命でも構わないけど、本命がいい?」


「いえ、仮で結構です」


ってダメダメ!!


流されちゃ、ダメっ!!


再び口を開こうとしたら、杞憂 葵の綺麗な声で遮られた。


「そういえば、電話番号渡してないよな…」


そう呟いて、あたしに近づいてくる。


やっぱり足が長いからなのかな?


異様にスピードが速いんですけど!!?


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