放課後の人魚姫。




「ごめ……遅れて…。」


「いいよっ!来てくれないと思ってたから嬉しい♪」



君に抱きつきたい。

それで美妃一人にしないで、離れてかないでって言ってしまいたい。



そんなことしたら怜は困るだろうし。

私のわがままだし。


落ち着いて前を向いた。


怜は走って来てくれたみたい。

嬉しい。

「どうしたん?」


怜は隣のブランコに乗った。

「また殴られちゃった…。」


「そか……痛いとこは?」


こんな気遣いが美妃の心を奪うんだよ……


「怜が来てくれたから飛んでった♪」

本当は身体中痛かったけどね。

半分本気だけど。


「うん…ごめんな、長いこと一人にさせちゃって。」

その言葉がまた美妃の心を奪って。

怜に優しくされると理性が保てなくなるよ……。


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