放課後の人魚姫。



「待ってた時、すっごい不安だったの。彼女が出来て、もう美妃に話してくれなくなったらって。」



もう止まらない。



「美妃、怜が居なくなったら苦しいよ……。困るよ……。」

一番困るのは怜なのにね。
もう自分で自分がおさえられなくなるほど怜が好きなんだ。



「美妃、右向け〜右!!」
「え?」

急にそう言われたので、従ってしまった。


向き合うのやだよ……。



「美妃、前になにが見える?」



「怜…」


さっきから怜しか見えてないよ。


「うん。俺。今も美妃の前に居るだろ?」


「うん。」


「俺は居なくなんね〜よ。」


「ほんと?」


変な確認をしてしまった。


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