神様がくれた1ヶ月
7月27日
(ここは。俺の部屋か?)

ピロリ、ピロリ


友加からメールが来た。


《義春。優勝おめでとう!次は甲子園だね(^O^)》


(そうか。やっぱり俺達は予選で優勝したのか。)


俺が通う星真大学附属甲府高校は元女子高だった。
2年前に星真大甲府は試験的に一学年のみを共学として普通科の男子生徒を募集した。

俺は県内外を含めて多数の特待生の勧誘や野球推薦が来たが全て断わり星真大甲府に入学した。

理由は俺が幼い時に親父を交通事故で亡くし、今はお袋と二人暮らしのため暇があれば稼業も手伝える。

そして、お袋に何かあってもすぐ駆け付ける事が出来るので近所の星真大甲府高校を選んだ。

俺は最初で最後の星真大甲府普通科の男子生徒となった。


同時に星真大学附属甲府高校硬式野球部が創設された。


「ふぅ〜。美味い。」


生き返ると腹が減る。お袋が取った出前のカレーを食べながら夕方のニュースを観た。


『星真大甲府!初優勝!2年前まで女子高、今年限りで廃部と逆境の中で悲願の甲子園への切符を掴みました!!』


もぐもぐ・・


(まさか近いってだけで選んだ高校が甲子園に行けるとはね・・。)
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