神様がくれた1ヶ月
憧れ
2年前。4月2日
星真大甲府グラウンド


「甲府第一中学から来ました。柘植義春です!宜しくお願いします!」


俺達、普通科の野球部部員は計20名。特待生や推薦の部員は居ない。


しかし・・。


「函館第五中学から来ました。成宮博仁です。」


「宮古島第二中学から来ました。比嘉幸人です。」


北は北海道。南は沖縄まで。彼等は特待生や推薦を蹴り、一般入試を受けてまで山梨の星真大甲府に入学したのは訳がある。


それは・・。
かつて高校野球界では名将と呼ばれた・・



「星真大甲府野球部監督の二神慎一郎です。」



この人が星真大甲府の監督に就任したからだ。



「今から言うことをよく聞いてくれ。」



「私は君達が野球を通して人間的に成長すれば良いと思う。なので勝敗を気にせず怪我の無いように野球を楽しんでいこう。」



まぁ、名将と呼ばれる言葉では無いな・・。



すると部員の1人が二神監督に掴みかかった。



「冗談じゃない!俺はそんな甘ちゃんな野球をするために星真に入ったんじゃないぞ!」



「悪いな・・。私はハナから君達を甲子園に連れて行く気は無い・・。」
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