神様がくれた1ヶ月
捨てた優勝
5年前、8月26日
15時59分
甲子園球場


「ああ!二神の奴は何をやっとる!あとアウト1つで甲子園優勝なんだぞ!!」


9回ツーアウト。ランナー2塁、3塁。


桐英学園対命陸社高校
  8 ― 7


(あと1つで・・。)


(優勝・・。優勝・・。)


(飛んで来るなよ!こっちに飛んで来るなっ!!)


(エラーしませんように。エラーしませんように・・。)




キーン!!




金属バットの快音が甲子園球場にこだまする。




『左中間抜けるか?抜けるか!?抜けたー!!ランナー次々と還ってきます!!1点!2点!命陸社逆転サヨナラ勝ちー!!遂に山梨県に初の優勝旗が渡りました!!』


「嘘だ・・。」

「そんな馬鹿な・・。」

「8点差だぞ・・?」

桐英のナインはその場でうなだれた。



「うぅぅ〜。恥さらしが!二神の奴めぇ・・!!」



「校長ー!!大変です!!二神監督がベンチに居ませんよ!!」


「何ぃぃ!?すぐさま二神に電話しろっ!!」


「はいぃぃ!!」


・・・・・・。



「ダメです。通じません・・。」




「二神ぃぃぃぃぃぃ!!」
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