学校トランプ
『さぁ、殺しあうんだ…“学校トランプ”の始まりだ』


ガラッ

ドアが開いた。


「お前が田立一か?」


冷血な瞳で一を見下ろす男の子。

急にそこにあったイスを持ち上げて、一の頭に振り落とした。

ガッ


「ヒッ…」


夏帆は後ずさりをした。


「くっ…」


一は逃げようと男の子の足を掴んだ。


「逃がすわけには行かないんだよ…」


グシャッ

さっきよりも鈍い音を立てて、一は動かなくなった。


「Jokerは頂くぜ。俺は殺されたくないんでな」


男の子は返り血を浴びたままB組を出て行った。


『B組の田立一死亡。Jokerの持ち主はA組の中村大輔』


嘘…

嘘じゃないことは血まみれの一を見れば分かる。

でも…

こんなゲーム…生き残れるわけがない。


「は、じめ?」


動かなくなった一に駆け寄る時雨。


「ねぇ、一?動いて?」


時雨は一筋の涙を流した。


「ねぇ…一、あたし好きだったんだよ?一のこと…」


時雨はもう死んでしまった一に告白した。


「ずっとずっと好きだったんだよ…こんな風に告白して、ごめんね…一…」


時雨は一の背に顔を埋めた。
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