学校トランプ
「いいよ、真央いる?」


小結はB組を見渡す。


「小結、萌香、どうしたの?」


あたしはふたりに言った。


「真央が…いなくて…」


「真央!?いつから?」


「放送が、流れる…前」


「それ、本当?」


琴葉が聞いた。


「うん…この階にはいないのかな…」


小結は肩を落とした。


「山内さん…危ないかもしれない…」


琴葉は下を向いて言った。


「「え?」」


「放送が流れてる前にいなかったのなら、誰かといるかもしれない。ということは、その子が山内さんを…殺す可能性がある…」


シ――――ン

クラスの視線は琴葉に注がれた。


「真央…探してくる!!」


萌香は廊下を走った。


「萌香!!」


小結も萌香を追った。

夏帆は動けなかった。

動きたくなかった…

自分が死にたくなかった。

その場にいて、殺されたくなかった。

怖い…

夏帆は恐怖でいっぱいだった。


「夏帆、行こう」


振り向くと、優梨とあおいがいた。
< 16 / 79 >

この作品をシェア

pagetop