学校トランプ
龍が壁に拳をぶつける。


「莉加…?」


あおいが言った。


「さっきのって、布崎だったのか?」


「うん…莉加っぽかった…」


本当は信じたくない。

でも、信じなきゃ…疑わなきゃ…

今度会ったときには殺されるかもしれない…


「ねぇ、ここって…」


琴葉が呟く。


「職員…室?」


「犯人が…いるかも…」


琴葉の言葉に、誰もが決心を固めた。

殺されるかもしれない。

でも…もう誰も死なせたくない。


「みんな…入る?」


こくん

あおいの言葉に5人は頷いた。


「じゃあ…みんな、行こう」


琴葉はゆっくりと、ドアに手をかける。

怖い…

決心は固めたはずなのに…声が出ない。

足が動かない。


「西村…?」


「馬鹿だよね…いまさら怖いの…」


あたしは震えてる手を見て、無理に笑った。


「俺がいる」


「え…?」


「この中で強いのは俺だし、もう八野みたいに死なせたくない」
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