学校トランプ
廊下には変異した誠司の死体。

こっちも悪臭を放っている。

それでも、夏帆は探した。

Joker――

ない――?

何度探しても、誠司からJokerは出てこなかった。


『Qにより、Jokerは2枚減り全部で8枚』


Qが、持っていった?

何のために?


「夏帆っ…」


夏帆が振り向くと、優梨、あおい、琴葉、小結、龍がいた。


「みんな…亜紀が――――」


夏帆はみんなに一部始終を話した。


「…そんな、嘘でしょ――」


「何で、Qはうちらの行動読めてるわけ?」


あおいの言葉に夏帆は気付く。

読んでるんじゃない…違う。

もっと別な――――

そう…


「…見えてるんだ」


夏帆は呟いた。


「見え…てる?」


「うん、たぶん…隠しカメラ――――」



「なかなかやるわね、西村夏帆…もっと真実に近づくのよ」


Jは不吉な笑みを浮かべた。


「J~、何かすげーことになってるけど」


「A、どうしたの?」


パラパラ…

Aは持っている紙の束をめくる。
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