学校トランプ
一番頭を働かせて頑張ってくれた。

この事件で、琴葉の素顔が分かった気がした。

いつもキビキビしてて、近寄りにくい。

そんな感じばかりだったけど、今では普通に話せる。


「でさ、職員室なんだけど――」


龍は職員室での一件を話してくれた。

1人、職員が生きていたらしい。

でも、龍に一言だけ言って死んでしまった。


「『七道…修平…』って」


七道修平【しちどうしゅうへい】?

そんな名前聞いたことない。


「七道修平って…あの?」


あおいが聞いてくる。


「あおい、知ってるの!?」


夏帆は身を乗り出した。

そいつが、この事件の犯人かもしれない――


「うん。1年のとき、同じクラスだったの…人気者で、明るくて。七道のこと好きだった子はたくさんいたんだ」


「そんな子…いたんだ」


優梨も小結も龍も知らないみたい。


「琴葉、知ってた?」


「うん…学級委員で一緒だったし」


琴葉とあおいは知ってるんだ。


「たぶん…知ってる子は少ないと思う」


あおいは呟いた。


「どうして?」


「七道ね、1年の秋から…虐められてたの」



時は遡り、2年前――


『七道遊ぼうぜ!!』
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